日本学士院

物故会員個人情報

 

氏名

霜田光一 (しもだ こういち)

 

所属部・分科

第2部第5分科

選定年月日

平成22年12月13日

退任年月日

令和5年5月29日

専攻学科目

物理学

過去の要職

東京大学名誉教授

受賞等

〔国内〕

日本学士院賞(昭和55年)
勲二等瑞宝章(平成2年)
文化功労者(平成20年)

〔海外〕

主要な学術上の業績

霜田光一氏は、東京大学理学部物理学教室において1948年頃からマイクロ波回路、特に空洞共振器について詳しい検討を行い、アンモニア分子等のマイクロ波スペクトルを研究し、原子時計の開発と周波数標準の精度を高める方法を開発しました。これは今日の周波数(時間)と長さの標準を原子や分子のスペクトルに求める流れの発端を作るものでした。さらにコロンビア大学のタウンズ教授の研究室に出張中の1954年には、レーザーの前身であるメーザーの基礎理論と装置の開発に重要な役割を果しました。

また、帰国後は東京大学に短期滞在したタウンズ教授、同僚の高橋秀俊教授らとともにメーザーの量子力学的な雑音について論じ、古典的な電磁波の雑音との違いを理論的に明らかにしました。引き続きレーザー分光とレーザー周波数標準を研究し、国際単位メートルの再定義に貢献しました。

主要な著書・論文

  1. 『エレクトロニックスの基礎』裳華房、1958年
  2. 『レーザー物理入門』岩波書店、1983年