第77回公開講演会のお知らせ【於奈良市・オンライン同時開催】
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日本学士院では、広く一般の方々を対象として、会員を講師に春・秋年2回講演会を実施しております。このたび、奈良市において、春の講演会を下記のとおり会場とオンラインで同時開催いたします。本院会員が分かりやすくお話をいたしますので、たくさんの方からのお申込みをお待ちしております。
事前申込制
会場:200名(先着順)
オンライン:500名(先着順)
日時・場所
- 令和6年5月25日(土)午後1時~3時30分
- 奈良公園バスターミナル レクチャーホール
〒630-8213 奈良県奈良市登大路町76
アクセス:近鉄奈良駅1番出口より徒歩約10分/JR奈良駅東口よりバス10分
奈良交通2系統市内循環バス(外まわり)に乗車、「県庁前」下車 - 会場案内(奈良公園バスターミナル)
共催・後援
共催:奈良国立大学機構(奈良教育大学・奈良女子大学)
後援:奈良県・奈良県立医科大学・奈良県立橿原考古学研究所・奈良県立大学・奈良先端科学技術大学院大学・奈良新聞社
講演内容
「チベット瞑想の一断面 —牧象図(ぼくぞうず)再考—」
- 御牧克己(インド・チベット仏教学)
- 日本学士院会員
- 京都大学名誉教授

御牧克己会員
チベット仏教修行の一端を視覚的に表現した「チベット牧象図」は、禅の「十牛図」または「牧牛図」との類似性によって、これまでしばしば注目されてきました。チベット語自体は〈「止」の図〉(Źi gnas dpe ris)の意味です。「止」とは「観」と並ぶ仏教の代表的な瞑想の方法であり、「心一境性」と呼ばれる、心を一点に集中することを意味します。一方、「観」とはその「止」の上に立って「人法の二無我」を観察し、「空」の達見を得る瞑想方法です。同図は「九段階の心の安定」(九種心住)と呼ばれる「止」の階梯のみを取り出して示したものです。同図の諸類似図を比較吟味することによって従来の研究では不明であった諸点をほとんど全て明らかにすることができたと思われますので報告致します。
司会: 高田康成会員
「免疫の不思議」
- 審良静男(免疫学)
- 日本学士院会員
- 大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授

審良静男会員
あらゆる生物は、絶えず病原体の侵入の脅威に曝されています。この防御に哺乳動物は二つのタイプの免疫システムを持ちます。一つが自然免疫で、下等生物から高等生物まで共通に持つ免疫機構で、体内に侵入してきた病原体を貪食し消化する役割を持ちます。もう一つは獲得免疫で、T細胞やB細胞が関与し無限の特異性を持った受容体であらゆる抗原を認識します。自然免疫は、従来まで非特異的と考えられ、哺乳動物においては獲得免疫の成立までの一時しのぎと考えられてきました。しかし、最近、自然免疫も病原体を特異的に認識すること、さらに自然免疫の活性化が獲得免疫の誘導に必須であることが明らかになりました。このため、従来の免疫理論の大幅な修正が迫られるようになり、感染症に対するワクチン、アレルギー疾患、癌免疫に対する考え方も大きく変化しており、その動向をお話ししたいと思います。
司会: 藤吉好則会員
お申込み・お問合せ
会場参加とオンライン参加でお申込み方法が異なります。
1. 会場 定員200名・先着順
以下のフォームよりお申込みください。(または、会場希望の旨と氏名・電話番号を明記し、メール、往復ハガキまたはFAXで下記までお申込み下さい。)
会場参加申込みフォーム
2. オンライン 定員500名・先着順
下記URLよりお申込みください。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_VuLoxONbSZGiEvcXvPKGww#/registration
<お問合せ>
日本学士院 公開講演会係
- 〒110-0007 東京都台東区上野公園7-32
- TEL 03-3822-2101
- FAX 03-3822-2105
- 電子メール gkkouen@mext.go.jp