日本学士院

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日本学士院客員の選定について

日本学士院は、平成25年11月12日開催の第1073回総会において、ピエール・トゥベール博士を日本学士院客員に選定しましたので、お知らせいたします。

氏名 ピエール・トゥベール博士
Dr. Pierre Toubert
>Dr. Pierre Toubert
現職 フランス学士院会員
コレージュ・ド・フランス名誉教授
居住地 フランス共和国
専攻学科目 イタリア中世史
ヨーロッパ中世初期社会経済史
生年 1932年(80歳)
略歴

1958-1961年 ローマ・フランス学院研究員
1962-1964年 フランス政府研究庁(CNRS)主任研究員
1964-1993年 パリ高等研究院第4部門教授(中世イタリア史)
1972年          国家博士号取得(文学博士)
1972年          パリ第1大学(ソルボンヌ)講師
1973年          パリ第1大学(ソルボンヌ)中世史教授
1986年          フランス学士院碑文・文芸アカデミー会員
1992年          コレージュ・ド・フランス教授(中世西地中海史講座)
1996年          フランス学士院碑文・文芸アカデミー院長
(任期1年)
2003年      コレージュ・ド・フランス名誉教授

主要な学術上の業績

 ピエール・トゥベール博士は、イタリア中世史とヨーロッパ中世初期社会経済史を専門とし、数多くの業績を挙げこの分野で国際的に第一人者としての評価を得ている。とくに中世地中海世界に特有な高地集落の形成現象「インカステラメント(城塞化)」を、地中海社会の生態システムとして概念化し、環地中海世界の近代に向けての歩みを説明する説明原理に鍛え上げることで、中世地中海社会経済史研究を飛躍的に発展させた。また、ヨーロッパ中世初期社会経済史の分野で、荘園制の理論的考察を深化させただけでなく、国際的にも評価が高い日本の斯界の研究者の業績を広く国際学界に知らしめ、二度にわたる日本訪問を通じて、我が国の中堅・若手の研究者に多大な知的刺激と学問的影響を与えた。