日本学士院

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日本学士院客員の選定について

日本学士院は、平成21年4月13日開催の第1028回総会において、真鍋淑郎氏を日本学士院客員に選定しましたので、お知らせいたします。

氏名 眞鍋 淑郎教授 Professor Manabe, Syukuro 眞鍋 淑郎教授
現職 プリンストン大学大気海洋科学プログラム上級研究員
Senior Research Meteorologist,
Program in Atmospheric and Oceanic Sciences,
Princeton University
居住地 米国 ニュージャージー州プリンストン在住
専攻学科目 気象学・気候学
生年 1931年(77歳)
略歴

1953年 東京大学理学部卒業
1958年  東京大学大学院理学系研究科修了・理学博士取得
1958-1963年 米国気象局大循環研究部門研究員
1963-1997年 米国海洋大気庁地球流体力学研究所上級研究員
1967年 米国地球物理学連合 フェロー
1968-1997年 プリンストン大学大気海洋科学プログラム客員教授
1983年 東京大学特別招聘教授
1990年  米国科学アカデミー 会員
1994年  欧州アカデミー 外国人会員
1995年  カナダ王立学会 外国人会員
1997年  米国科学振興協会 フェロー
1997-2001年 宇宙開発事業団・海洋科学技術センター、
              地球フロンティア研究システム地球温暖化予測研究領域長
2002年-現在 独立行政法人海洋研究開発機構非常勤顧問
2002年-現在 プリンストン大学大気海洋科学プログラム上級研究員
2008, 2009年 名古屋大学特別招聘教授

主要な学術上の業績

 眞鍋淑郎博士は東京大学で気象学を専攻し学位を得た後招かれて米国に渡り、40年にわたって同国海洋大気庁・地球流体力学研究所で研究を続けて来た。同博士の大きな業績は、コンピュータによる気候のシミュレーション・モデルを開発し、それを用いて気候の成り立ちと変動を解明するという新しい研究分野を開拓したことである。同時に、二酸化炭素の増加による地球温暖化に関しても理論的基礎を確立するとともにコンピュータ実験によって世界各地の気候変化を推定する研究において世界をリードし、現代の地球温暖化予測の枠組みを築いた。
眞鍋博士は日本出身であることからしばしば日本を訪問して研究指導や講義を行い、さらに1997年から5年間日本の研究グループのリーダーを務め、日本における気候変動研究を最先端に導くなど学術の発展・向上に大きく貢献した。