日本学士院第50回公開講演会のお知らせ
パンフレットダウンロード日本学士院では、広く一般の方々を対象として、会員を講師に春・秋年2回講演会を実施しており、春の講演会を下記のとおり開催いたします。本院会員が分かりやすくお話をいたします。
事前申込制 定員300名
席に限りがございますのでお早めにお申し込みください。
日時・場所
- 平成21年5月23日(土)午後1時~4時10分(開場12時30分)
- くまもと県民交流館パレア パレアホール(10階) 会場アクセス
共催
高等教育コンソーシアム熊本
後援
熊本県•熊本県教育委員会
開会挨拶
濱 清 公開講演会委員会委員長
米澤和彦 高等教育コンソーシアム熊本 会長
蒲島郁夫 熊本県知事
講演内容
松尾浩也会員
「熊本と刑法」
- 松尾浩也(刑事法)
- 日本学士院会員
- 東京大学名誉教授
- 中国吉林大学客座教授
- 法務省特別顧問
「刑法」は、国の基本法の一つであるが、肥後熊本の出身者は、日本における刑法の発展に大きく寄与している。宝暦4年(1754年)に成立した肥後藩の「御刑法草書」は、中国の明律等を参照して作られ、国内でもっとも水準の高い刑法典であった。明治維新直後の「仮刑律」の制定に際しては、肥後藩士が東京に呼ばれて起草の任に当たっている。
大正から昭和にかけては、京都大学に冨田山寿<とみた さんじゅ>(1879 —1916 )、佐伯千仭<さえき ちひろ>(1907 —2006)、東京大学に平野龍一(1920 —2004)の三教授があり、刑事法学の進歩に貢献された。いずれも熊本県の出身である。この講演では、熊本人の業績を視野に入れながら、日本における刑法・刑事訴訟法の発展を語りたい。また、刑事法に関して皆さんの関心が高い「裁判員制度」についても触れていきたいと思う。
司会:三宅一郎会員
入谷 明会員
「クローン動物生産技術の有効利用」
- 入谷 明(家畜繁殖学)
- 日本学士院会員
- 京都大学名誉教授
- 近畿大学理事・
- 同大学先端技術総合研究所長
クローンという語の由来は、ギリシャ語の辞典によると“ klon ” となっており、例えばツバキなどのように挿し木によって作られた同じ遺伝子を持つ生物個体群のことである。動物の場合でも自然に生まれる一卵性の双子もクローンといえる。家畜では 20 年も前から効率的な改良増殖を目標にして、 1 個の受精卵から一卵性の 7 ~10 子が生産されてきた。さらに 12 年前からは、受精卵ではなく、皮膚や毛などの成体の細胞から多数の遺伝的同型個体が生産されるようになってきた。ヒツジ、ウシ、ウマ、ヤギ、ブタ、マウス、ウサギ、ネコなどで成功している。熊本は古くから肉用牛生産が盛んなところであり関心の高い技術ではなかろうか。家畜の改良、希少種の増数、絶滅種の復活、再生医療などにも有効に利用されようとしているこの技術について、本公演で触れていきたいと思う。また、クローン食品の安全性や、クローン技術を使った野生動物、絶滅動物の保護・復活などの巷で議論の多いトピックにも触れていきたい。
司会:和田光史会員
お申し込み・お問い合わせ
<お申し込み>
本ホームページ、e-mail、ファックスまたは往復ハガキのいずれかの方法で住所、氏名(フリガナ)、電話番号、メールアドレス等の連絡先を記載のうえ、下記の連絡先にお送りください。
事前申込制 定員300名
申込みは終了しました。<お問い合わせ>
日本学士院 公開講演会係
- 〒110-0007 東京都台東区上野公園7-32
- TEL 03-3822-2101
- FAX 03-3822-2105
- 電子メール kouenkai@japan-acad.go.jp
※また、下記でもお申込みを承っています。
詳しくはパンフレット(PDFファイル)をご覧ください。
高等教育コンソーシアム熊本 事務局(熊本県立大学内)
熊本県総合政策局 企画課