日本学士院

物故会員個人情報

 

氏名

源了圓 (みなもと りょうえん)

 

所属部・分科

第1部第1分科

選定年月日

平成13年12月12日

退任年月日

令和2年9月10日

専攻学科目

日本思想史

過去の要職

受賞等

〔国内〕

〔海外〕

主要な学術上の業績

源 了圓氏の研究は、A群とB群に大別されます。Aは主として徳川初期より明治初期に至る「日本思想史」であり、Bは室町期の世阿弥より明治期の北村透谷に至る「日本文化論」です。Aを「実学思想史」として、Bを「型と日本文化」として、総括的に把握したことは、同氏の卓越した創見です。然も「実学思想」も「型」も、各々の分野における「問題」の解決もしくは解決への試みである点で、共通性を示しています。この総括的見解は、同氏がその研究の主題とした約80人以上の思想家、宗教家、芸能家のテクストと覚書とによって十分に裏づけられています。同氏の日本思想史研究は、後輩研究者達に多大な影響を及ぼしたのみならず、中国及び韓国の思想史研究者達の大きな注目を浴びて、共同研究を行うに至りました。その研究の成果は3冊の編著となり、そのうちの2冊は、日中両国語で公刊されています。同氏は、その学問的功績により、北京外国語大学名誉教授の称号を授与されました。

主要な著書・論文

著 書

  1. 『義理と人情』(1969年、中央公論社)
  2. 『義理』(1996年、三省堂)(一語の辞典)
  3. 『徳川思想小史』(1973年、中央公論社)
  4. 『徳川合理思想の系譜』(1972年、中央公論社)
  5. 『近世初期実学思想の研究』(1980年、創文社)
  6. 『文化と人間形成』(1982年、第一法規出版)
  7. 『実学思想の系譜』(1986年、講談社学術文庫)
  8. 『型』『型と日本文化』(1989-1991年、創文社)
  9. 『横井小楠研究』(2013年、藤原書店)

論 文

  1. 「西田幾多郎と日本文化における『物』をめぐる思想」(『思想』岩波書店、平成十年六月号)
  2. 横井小楠における「開国」と「公共」思想の形成(日本学士院紀要 第五十七巻 第三号、平成十五年)