日本学士院

会員情報

 

氏名

間野博行 (まの ひろゆき)

 

所属部・分科

第2部第7分科

選定年月日

令和3年12月13日

専攻学科目

ゲノム医学・腫瘍学

現職等

受賞等

〔国内〕

〔海外〕

The Lépold Griffuel Award (Fondation ARC, France) (2021年)

外国アカデミー会員等

 

主要な学術上の業績

間野博行氏は、肺がんにおける融合型がん遺伝子EML4-ALKを発見しました。本来異なる遺伝子であるEML4とALKが染色体転座の結果融合することで、強力ながん化能を有するタンパクを産生します。この発見は、それまでの「染色体転座による発がんは一般的な固形腫瘍には存在しない」と言う常識を覆すもので、他の固形腫瘍における同様な融合型がん遺伝子の探索・発見をもたらしました。さらにEML4-ALK陽性肺がんの治療薬としてALK酵素活性阻害薬が次々と開発・実用化され、がん患者の救命に役立っています。ALKはEML4以外にも様々な遺伝子と融合して広く発がん原因となることから、間野氏はこれらALK遺伝子の異常によって生じるがんを「ALKoma」と名付け、がんを発生臓器・病理型によって分類するのではなく、本質的ながん遺伝子によって分類することを提唱しました。こうして、現在のがん治療の大きな潮流である「がんゲノム医療」が誕生したのです。

主要な著書・論文

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