会員情報
氏名
間野博行 (まの ひろゆき)
所属部・分科
第2部第7分科
選定年月日
令和3年12月13日
専攻学科目
ゲノム医学・腫瘍学
現職等
- 国立がん研究センター理事長・総長
受賞等
〔国内〕
- 日本医師会医学賞(平成20年)
- 持田記念学術賞(平成22年)
- 武田医学賞(平成22年)
- 上原賞(平成23年)
- 紫綬褒章(平成24年)
- 慶應医学賞(平成24年)
- 山崎貞一賞(令和元年)
- 日本学士院賞(令和3年)
〔海外〕
The Lépold Griffuel Award (Fondation ARC, France) (2021年)
外国アカデミー会員等
主要な学術上の業績
間野博行氏は、肺がんにおける融合型がん遺伝子EML4-ALKを発見しました。本来異なる遺伝子であるEML4とALKが染色体転座の結果融合することで、強力ながん化能を有するタンパクを産生します。この発見は、それまでの「染色体転座による発がんは一般的な固形腫瘍には存在しない」と言う常識を覆すもので、他の固形腫瘍における同様な融合型がん遺伝子の探索・発見をもたらしました。さらにEML4-ALK陽性肺がんの治療薬としてALK酵素活性阻害薬が次々と開発・実用化され、がん患者の救命に役立っています。ALKはEML4以外にも様々な遺伝子と融合して広く発がん原因となることから、間野氏はこれらALK遺伝子の異常によって生じるがんを「ALKoma」と名付け、がんを発生臓器・病理型によって分類するのではなく、本質的ながん遺伝子によって分類することを提唱しました。こうして、現在のがん治療の大きな潮流である「がんゲノム医療」が誕生したのです。