会員情報
氏名
清水昌(しみず さかゆ)
所属部・分科
第2部第6分科
選定年月日
令和6年12月12日
専攻学科目
応用微生物学
現職等
- 京都大学名誉教授
- 富山県立大学客員教授
受賞等
〔国内〕
-
農芸化学奨励賞(日本農芸化学会)(昭和60年)
- 優秀技術論文賞(日本油脂工業会館)(平成元年)
- 化学技術賞(日本化学会)(平成13年)
- 日本ビタミン学会賞(日本ビタミン学会)(平成14年)
- 日本農芸化学会賞(日本農芸化学会)(平成15年)
- 有馬啓記念バイオインダストリー協会賞(バイオインダストリー協会)(平成15年)
- 科学技術分野の文部科学大臣表彰(文部科学大臣)(平成20年)
- 井上春成賞(井上春成賞委員会)(平成20年)
- 生物工学論文賞(日本生物工学会)(平成29年)
- 文化功労者(令和4年)
- 日本学士院賞(令和6年)
〔海外〕
- バイオテクノロジー賞(American Oil Chemists' Society, USA)(2001年)
- 国際酵素工学賞(Engineering Foundation, USA)(2009年)
外国アカデミー会員等
主要な学術上の業績
清水昌氏は、多種多様な微生物群の中に有用な新規機能を広く探索する研究を通じて、アラキドン酸を主成分とする油脂を直接生産する微生物を世界で初めて発見し、その工業生産に成功しました。また、その生合成過程の詳細な検討から、稀少かつ多様な高度不飽和脂肪酸の発酵生産に成功し「油脂発酵」という産業分野を確立しました。現在、アラキドン酸含有油脂は世界の国々で乳幼児用の粉乳に添加されています。また、パントテン酸生産の工業原料中間体を光学分割する微生物反応を発見し、これまでの化学的手法による光学分割法を用いた製造工程を大幅に簡略化しました。さらにケトン基を光学活性アルコールへと不斉還元する微生物を発見し、その酵素を用いた汎用型の不斉還元システムを構築しました。本法は多様な光学活性アルコールの工業的合成法として世界的に活用されています。以上のように清水氏は微生物の探索研究による新しい機能の発見をもとに学術的な研究を進め、その成果を質の高い社会実装に結びつけて、バイオ産業の発展に大きく貢献してきました。