日本学士院

会員情報

 

氏名

磯貝彰(いそがい あきら)

磯貝彰

 

所属部・分科

第2部第6分科

選定年月日

令和4年12月12日

専攻学科目

生物有機化学

現職等

奈良先端科学技術大学院大学名誉教授

受賞等

〔国内〕

農芸化学奨励賞(昭和52年)
日本農芸化学会賞(平成8年)
日経BP技術賞大賞(平成13年)
日本学士院賞(平成14年)
文化功労者(平成20年)
瑞宝重光章(平成27年)

〔海外〕

外国アカデミー会員等

主要な学術上の業績

磯貝 彰氏は、農業生産に直接間接に関わる微生物、昆虫、植物の多様な機能を超微量で制御する、数多くの新規の生物間相互作用物質や内在性生理活性物質の構造と機能を明らかにしました。例えばキノコの一種であるシロキクラゲや、動物腸管に感染する細菌の一種である腸球菌において、性的接合または凝集を介して遺伝子交換を引き起こす化学因子を発見して構造を解明し、腸球菌についてはこの菌の薬剤耐性化機構の解明に貢献しました。さらに、多くの高等植物が咲かせる両性花で、自家受粉によって遺伝的多様性が失われるのを防ぐ自家不和合性の機構を物質面から追求し、アブラナ科植物とナス科・バラ科植物のそれぞれが、異なるやり方で花粉の自己と非自己を識別する雌しべ側、雄しべ側のタンパク性因子とその遺伝子を同定し、それらの相互作用の詳細や情報伝達システムを明らかにしました。この仕事は国際的に極めて高く評価され、その成果は作物などの育種に活用され始めています。

主要な著書・論文

I.生物間相互作用に関わる天然生理活性物質の探索的研究(原著73報)

II.生物の生活環に関わる内在性生理活性物質の研究(原著24報)

III. 植物の自家不和合性における自他識別機構に関する研究(原著73報)

(上記を含め原著論文270篇、総説25篇、著書等7篇)

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