会員情報
氏名
甘利俊一(あまり しゅんいち)
所属部・分科
第2部第5分科
選定年月日
令和6年12月12日
専攻学科目
数理工学
現職等
- 帝京大学先端総合研究機構特任教授
- 東京大学名誉教授
- 理化学研究所栄誉研究員
受賞等
〔国内〕
- 日本学士院賞(平成7年)
- 日本統計学会賞(平成14年)
- 文化功労者(平成24年)
- 文化勲章(令和元年)
〔海外〕
- IEEE Neural Networks Pioneer賞(1992年)
- イタリア神経回路学会Caianiello記念賞(1997年)
外国アカデミー会員等
ポーランド科学アカデミー外国人会員(2004年)
主要な学術上の業績
甘利俊一氏は数理工学という新しい分野において一流の業績を残してきました。なかでも、神経回路網理論の研究において1967年に、当時一般的であった一層単純パーセプトロンとは異なり、複数多層パーセプトロン(MLP)の中間層にも学習機能を持たせ、その重みの学習を行わせることにより、高度な識別能力が獲得されることをいち早く見出しました。その重み学習法は、現在のAIにおける超多層の深層ニューラルネットワークの学習法である誤差逆伝播法の源流のひとつとなりました。
さらに1980 年代には世界に先駆けて情報幾何学という数学分野を創始しました。これは統計学での確率分布の空間に微分幾何学の概念を導入することにより、数理科学・情報科学におけるさまざまな新しい成果を生み出すことを可能にしました。例えば、信号処理分野において重要な独立成分分析において、確率的勾配法の収束性を改善する自然勾配法と呼ばれる新しい数学的方法を信号検出の学習理論に導入し、この分野の世界的流行を築きました。
主要な著書・論文