会員情報
氏名
樋口美雄 (ひぐち よしお)
所属部・分科
第1部第3分科
選定年月日
令和6年12月12日
専攻学科目
労働経済学
現職等
慶應義塾大学名誉教授
受賞等
〔国内〕
冲永賞(平成元年)
日本経済新聞・経済図書文化賞(平成3年)
エコノミスト賞(平成14年)
冲永賞(平成15年)
中小企業研究奨励賞経営部門本賞(平成19年)
起業家研究フォーラム賞(平成20年)
日本統計協会研究活動奨励事業(平成22年)
政策分析ネットワーク賞本賞(平成26年)
紫綬褒章(平成28年)
〔海外〕
外国アカデミー会員等
主要な学術上の業績
樋口美雄氏は日本の経済学にミクロ的実証分析を最初に導入した研究者の一人で、特に労働経済学分野での研究は内外で高く評価されるとともに、経済学者のデータとの接し方を変え、日本の実証経済学のあり方を根底から刷新し大きな先駆的足跡を残しました。1980年代前半には公的統計の個票データの学問的利用の道を開き、後半には日米英のミクロデータを用いて、日本女性の離職行動の特徴を分析し、結婚・出産・能力開発・賃金変化との関係を明らかにし、育児休業制度の効果、キャリア形成への影響について考察しました。1990年代には、樋口氏は国際的パネルデータを構築し、わが国固有の労働移動や賃金の構造・変化・格差、資産形成、コロナ期の雇用調整の実態を解明すると同時に、これらのデータを内外の研究者に公開してきました。動学的理論仮説を検証し、政策提言を行うといった先駆的研究は、EBPMの礎を築いたと言えます。