会員情報

氏名

川人貞史（かわと　さだふみ）

所属部・分科

第1部第2分科

選定年月日

令和5年12月12日

専攻学科目

政治学・政治過程論

現職等

東京大学名誉教授
東北大学名誉教授

受賞等

〔国内〕

第1回三宅賞（平成10年）
日本学士院賞（平成21年）

〔海外〕

外国アカデミー会員等

主要な学術上の業績

川人貞史氏は、特に計量的実証的な手法による日本の政治学研究をリードし続けている卓越した政治学者です。その研究の重点は、選挙・政党・議会という近代政治の中心的な事象にあります。川人氏は、それらに関して、理論仮説にもとづいて、網羅的にデータを収集し、それを基礎にして、様々な角度からの数量的分析と政治史的知見とを組み合わせ、特に明治以来の日本における選挙・政党・議会とそれらの相互関連に関して、従来見過ごされてきた多くの事実を発見し、解明しました。また、米国と日本における選挙制度と「政党システム」（政党間競争および協力などの相互作用の全体構造）との関係を分析し、大きな「スウィング」（連続する２回の選挙における政党得票率の変化）がどのように起きたかを明らかにしました。その結論は強い説得力を有し、同氏の研究業績は国内外で高く評価されています。

主要な著書・論文

"Nationalization and Partisan Realignment in Congressional Elections." American Political Science Review, 81, 1235-1250, 1987.
『日本の政党政治　1890-1937年―議会分析と選挙の数量分析―』（東京大学出版会，1992）
The Government and Politics of Japan, with Hitoshi Abe and Muneyuki Shindo. Tokyo: University of Tokyo Press, 1994.
“A Comparative Approach to Legislative Organization: Careerism and Seniority in the United States and Japan.” with David Epstein, David Brady, and Sharyn O’Halloran. American Journal of Political Science, Vol.41 No.3, 965-998, July 1997.
『現代の政党と選挙』（吉野孝・平野浩・加藤淳子と共著）（有斐閣，アルマ・シリーズ，2001）
『選挙制度と政党システム』（木鐸社，2004）
『日本の国会制度と政党政治』（東京大学出版会，2005）
『政治参画とジェンダー』（山元一と共編著）（東北大学出版会，2007）
『新版現代の政党と選挙』（吉野孝・平野浩・加藤淳子と共著）（有斐閣，2011）
『議院内閣制』（川人貞史編「シリーズ日本の政治」1）（東京大学出版会，2015）
「衆議院議員定数の都道府県への配分―どの比例代表制の方式が用いられたか―」（『国家学会雑誌』133巻5・6号，112-160，2020）
「日本国憲法のアイデンティティ―Number09:日本国憲法の制度的帰結の政治学的研究」（赤坂幸一他と共著）（『論究ジュリスト』35号，166-183，2020）