日本学士院

会員情報

 

氏名

井上正仁(いのうえ まさひと)

 

所属部・分科

第1部第2分科

選定年月日

令和元年12月12日

専攻学科目

刑事訴訟法

現職等

東京大学名誉教授
法務省特別顧問

受賞等

〔国内〕

〔海外〕

外国アカデミー会員等

 

主要な学術上の業績

井上正仁氏は、従来の刑事訴訟法学において優勢であった二元的刑事手続モデル論が、議論の過度の図式化・短絡化や実務・裁判例の軽視などを生んできたとの問題意識から、捜査・証拠上の先端的問題を中心として、個々の問題ごとに錯綜する利害関心の緻密な分析を踏まえ、関連する法規の沿革や基本にある法原則にまで遡り、外国法制に関する幅広い識見を活かしつつ、掘り下げた検討を行うことにより、合理的で理論的一貫性を有する解決を導くことに努めました。そして、それらの個別研究の成果を総合して、緻密で実際性をも兼ね備えた独自の理論体系を構築し、学界のみならず立法や判例・実務に対しても大きな影響を与えました。中でも、違法収集証拠の排除や捜査上の強制処分と任意処分に関する分析・理論構築における功績は、特に顕著です。

主要な著書・論文

  1. 『刑事訴訟における証拠排除』(弘文堂、1985年)
  2. (共著)『アメリカの刑事手続』(有斐閣、1987年)
  3. 『捜査手段としての通信・会話の傍受』(有斐閣、1997年)
  4. (共著)『ケースブック刑事訴訟法』(有斐閣、2004年~、第5版・2018年)
  5. 『強制捜査と任意捜査』(有斐閣、2006年;新版・2014年)

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