会員情報
氏名
東野治之 (とうの はるゆき)
所属部・分科
第1部第1分科
選定年月日
平成22年12月13日
専攻学科目
日本史
現職等
奈良大学名誉教授
大阪大学名誉教授
東京国立博物館客員研究員
受賞等
〔国内〕
紫綬褒章 (平成22年)
文化功労者(平成29年)
瑞宝重光章(令和2年)
〔海外〕
外国アカデミー会員等
主要な学術上の業績
東野治之氏は、日本古代史のうち、7~8世紀(飛鳥・奈良時代)のころを主たる研究分野とし、各種の文献史料を精密に解読することにより、国制史から上代国語の問題にわたって、古代史の真実に迫るすぐれた業績を挙げています。特に1961年(昭和36年)に平城京跡で出土して以来、各地での発見が相ついだ木簡は、新しい文字史料として注目されましたが、東野氏は早い時期にその調査・研究に従事し、木簡研究の基礎となる論文を多く発表しています。木簡の中には、習字に使用した断片もありますが、同氏はその文字を判読するとともに、漢籍に関する該博な知識に基づいて、出典を明らかにし、さらには漢字文化受容の実態を解明しています。このほか、金石文(きんせきぶん)の解読や、法隆寺献納宝物、正倉院宝物などの研究、また遣唐使や鑑真をめぐる日唐関係の解明にも、すぐれた成果を上げています。
主要な著書・論文
- 『正倉院文書と木簡の研究』塙書房 1977年
- 『日本古代木簡の研究』同上 1983年
- 『遣唐使と正倉院』岩波書店 1990年
- 『長屋王家木簡の研究』塙書房 1996年
- 『日本古代金石文の研究』岩波書店 2004年
- 『日本古代史料学』同上 2005年
- 『木簡が語る日本の古代』岩波新書 1983年
- 『正倉院』同上 1988年
- 『貨幣の日本史』朝日選書 1997年
- 『遣唐使』岩波新書 2007年
- 『鑑真』岩波新書 2009年
- 『大和古寺の研究』塙書房 2011年
- 『上宮聖徳法王帝説』岩波文庫 2013年
- 『史料学探訪』岩波書店 2015年
- 『史料学遍歴』雄山閣 2017年
- 『聖徳太子』岩波書店 2017年
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