会員情報
氏名
田仲一成 (たなか いっせい)
所属部・分科
第1部第1分科
選定年月日
平成12年12月12日
専攻学科目
中国文学
現職等
公益財団法人東洋文庫常務理事、図書部長
東京大学名誉教授
受賞等
〔国内〕
日本中国学会賞 (昭和46年)
恩賜賞・日本学士院賞 (平成5年)
瑞宝重光章 (平成19年)
〔海外〕
外国アカデミー会員等
主要な学術上の業績
中国の演劇は、従来、宮廷または都市の盛り場で演ぜられる職業俳優の娯楽演劇を中心に研究されてきましたが、田仲一成氏は「神事」に一部として演ぜられる農村の祭祀演劇を中国演劇の根幹であると考え、文献と現地調査の双方から、中国の祭祀演劇の発生・展開・伝播について、新たな考察を加えました。従来、宮廷・都市の演劇を対象とする研究に偏して、中国演劇だけの完結した世界に閉じこもり、世界の演劇史研究から孤立して記述されてきた中国演劇史を日本演劇史・西洋演劇史と同じく農村の神事芸能に基盤をもつものとして根底から据え直し、日本、西洋の演劇史と共通の問題を扱う、新しい『中国演劇史』(1998年)を著しました。1981年に著した『中国祭祀演劇研究』は、このような同氏の視点を最初に示したもので、その影響は次第に内外に浸透してきましたが、『中国演劇史』の刊行によって、その学説は現在の中国の学界に大きな流れを作るに至っています。
主要な著書・論文
- 『中国祭祀演劇研究』(1981年, 東京大学出版会)
- 『中国の宗族と演劇』(1985年, 東京大学出版会) → 中国語訳《中国的宗族与戯劇》(上海古籍出版社, 1992. 銭杭・任余白訳)
- 『中国郷村祭祀研究』(1989年, 東京大学出版会)
- 『中国巫系演劇研究』(1993年, 東京大学出版会)
- 『中国演劇史』(1998年, 東京大学出版会) → 中国語訳《中国戯劇史》(北京廣播学院出版社, 2002, 雲貴彬, 于允訳)
- 『明清の戯曲』(2000年, 東京創文社) → 中国語訳《明清的戯劇》(北京廣播学院出版社, 2003, 雲貴彬, 王文勲訳)
- 『中国地方戯曲研究』(2006年, 東京汲古書院)
- 『中国鎮魂演劇研究』(2016年,東京大学出版会)
- 『明代江南戯曲研究』(2020年,汲古書院)
- 『中国演劇史論』(2021年、知泉書館)
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