日本学士院

会員情報

 

氏名

塩川徹也 (しおかわ てつや)

塩川徹也 (しおかわ てつや)

 

所属部・分科

第1部第1分科

選定年月日

平成21年12月14日

専攻学科目

フランス文学

現職等

東京大学名誉教授

受賞等

〔国内〕
渋沢・クローデル賞特別賞(昭和61年)
和辻哲郎文化賞(平成16年)
日本学士院賞(平成17年)
文化功労者(平成30年)

〔海外〕

外国アカデミー会員等

 

主要な学術上の業績

塩川徹也氏は、パスカルの『パンセ』に関する研究を中心として、その研究を深め、同時にその研究対象をも拡大しながら今日にいたっています。塩川氏の研究は、ただ単に日本国内だけではなく、フランス語で発表した著書、論文をとおして、フランスにおいてもまた、この分野の研究を先導し続けてきました。同氏がパリ第4=ソルボンヌ大学に提出し、1977年にニゼ書店から刊行した博士論文『パスカルと奇蹟』(日本語訳は『パスカル 奇蹟と表徴』)は、フランス学士院、ヴィクトル・デルボス賞を受賞しました。同氏は、この博士論文から出発し、『虹と秘蹟 パスカル<見えないもの>の認識』(1993年)、および『パスカル『パンセ』を読む』(2001年)を書きあげました。そして最後に、それまでの研究の集大成として『パスカル考』(2003年)をまとめ、これに対しては、平成17年度の日本学士院賞が与えられました。同氏の一連の研究は、巨大な山なみにたとえることもできます。

主要な著書・論文

  1. Pascal et les miracles, Paris, Nizet, ii+221p., 1977年
  2. 『パスカル 奇蹟と表徴』岩波書店,xvi+335+25頁,1986年
  3. 『虹と秘蹟 パスカル〈見えないもの〉の認識』岩波書店,260頁,1993年
  4. 『パスカル『パンセ』を読む』(岩波セミナーブックス80)岩波書店,viii+252+2頁,2001年
  5. 『パスカル考』岩波書店、xvi+357+15頁,2003年
  6. 『発見術としての学問』岩波書店、190頁、2010年
  7. Entre foi et raison : l'autorité. Études pascaliennes, Paris, H. Champion, 260p, 2012年
  8. « Les études dix-septiémistes françaises au Japon : essai de mise en perspective », XVIIe siècle, Juillet 2010, no 248, p. 389-402.
  9. « Le péché originel dans l'apologie pascalienne : stratégie et enjeux », Chroniques de Port-Royal, no 63, Paris, 2013, p. 243-253.
  10. « Amour et justice dans les Pensées : de l'observation moraliste à l'exhortation spirituelle », XVIIe siècle, Octobre 2013, no 261, p. 637-644.
  11. 〔翻訳〕パスカル『パンセ』(上),(中),(下)岩波文庫,2015-2016年
  12. 〔翻訳〕パスカル『小品と手紙』(望月ゆかと共訳)岩波文庫,2023年

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