日本学士院

第13回学びのススメシリーズ講演会講演要旨

人獣共通感染症とは? —次の世界流行(パンデミック)にどう備えるか—   喜田 宏

世界は今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに翻弄されています。SARSとMERSもコロナウイルス感染症です。また、エボラウイルスやジカウイルス感染症、パンデミックインフルエンザ、レプトスピラ病などが世界各地で発生し、人類を脅かしています。これらはすべて、自然界の野生生物または環境に静かに存続してきた微生物が、時に家畜、家禽そして人に伝播してひきおこす人獣共通感染症です。地球環境の激変によって、野生動物と人間社会の境界が消失した結果、微生物が家畜、家禽と人に伝播する機会が増え、人獣共通感染症が多発しているのです。次の人獣共通感染症パンデミックにどう備えるか、 考えましょう。