日本学士院

第11回学びのススメシリーズ講演会講演要旨

機械翻訳の話   長尾 真

コンピュータを使った言語の翻訳(機械翻訳)の研究は1950年代から始まりました。欧米の言語は文の構造が似ているので機械翻訳は比較的らくですが、日本語と英語の間の翻訳などでは、文の構造が違うし文化も違うので非常に難しいのです。しかし50年以上の努力によって今日ではかなり良い質の翻訳ができるようになってきました。音声認識の研究も進み、書かれた文章の翻訳だけでなく、しゃべった言葉も翻訳ができるようになってきています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックではスマートフォンなどで世界の主要言語の翻訳が実用されようとしています。この講演では、国立研究開発法人情報通信研究機構の研究者にスマートフォンでの機械翻訳の実演を皆さんとともにしてもらい、その実用性を体験していただく予定です。