日本学士院

第5回学びのススメシリーズ講演会講演要旨

ナノサイエンスとナノテクノロジー
-カーボンナノチューブの発見からその産業応用-
飯島澄男

日本の産業は「ものつくり」が基本です。その中心には新材料の「開発」がありますが、新材料の開発では現在し烈な競争が世界規模で進行中です。本講演では、その一例として、「カーボンナノチューブ」を取り上げ、その発見、学問としての魅力、そして産業応用への研究開発について紹介します。

カーボンナノチューブは、ダイヤモンド、炭、鉛筆の芯と同じ炭素原子からできていますが、その大きさが「ナノメートル・サイズ」であること、また円筒形であるために通常の炭素材料とは違った性質を示します。そのため「ナノサイエンス」と「ナノテクノロジー」研究の中心的存在になっています。この分野の研究ではノーベル賞がすでに2回も与えられるほどです。