日本学士院

第3回学びのススメシリーズ講演会講演要旨

放射能と放射線   山崎敏光

皆さんの周りには目に見えない放射線がたくさんあります。不安定な原子核は放射能をもち、アルファ線、ベータ線、ガンマ線という放射線を発生します。レントゲン写真で体の診断ができるのも、X線という放射線のおかげです。また、宇宙から地球に降り注いでいる宇宙線という放射線もあります。その中には、湯川秀樹博士の予言した中間子と関連するミュー粒子と呼ばれる変わり者の粒子があります。目には見えない放射線を目で見えるように、実験装置を用いて観測してみましょう。放射線は自然科学の研究にはなくてはならない手段です。またその応用として医学にまで使われています。そのように大活躍している放射能と放射線について、いくつかの実例を交えてお話しましょう。