日本学士院

物故会員個人情報

 

氏名

横堀武夫 (よこぼり たけお)

 

所属部・分科

第2部第5分科

選定年月日

平成8年12月12日

退任年月日

平成29年10月9日

専攻学科目

材料工学・機械工学

過去の要職

東北大学名誉教授
帝京大学名誉教授
日本材料強度学会名誉会長

受賞等

〔国内〕

日本金属学会功績賞(金属物理)(昭和35年)
日本機械学会賞(昭和43年)
日本学士院賞(昭和46年)
勲二等瑞宝章(平成3年)
文化功労者(平成12年)

〔海外〕

アインシュタイン国際アカデミー財団勲章功労十字章(1998年)

主要な学術上の業績

 横堀武夫氏は、材料強度と破壊の学問を、アトム、ナノ、メゾ、巨視を融合し、非線形、時系列的に、金属、無機材料、有機材料、高分子材料などを包括、比較材料強度学としてとらえるなどといった全体像的研究を開拓しました。この分野における体系化を材料強度学と命名提出し、英語名ではフラクトロージー(Fractology)と命名しました。研究業績は、極めて広範囲かつ厖大です。以下にその例を示します。

  先ず、最初に確率過程論を強度と破壊の問題に導入しただけでなく、その物性論的内容を確定し、基盤を確立しました。さらに統計力学的に核生成論的研究を導入した金属疲労の理論は、世界において、「横堀の理論」と命名され(例えば有名なCazaudのテキストや米国ASTMにおける総説など世界の著名テキストや総説において)ています。Weibull分布で有名なWeibullは、その著書の中で、「物理量で予知可能とした動的取扱いである」と評価しています。その他、疲労き裂成長の模型は、「横堀のModel」、疲労き裂成長速度則は、「横堀の法則」と命名されています。降伏点に関しては、米国などにおいて「横堀の式」と名付けて用いられています。

主要な著書・論文