眞鍋淑郎客員来日記念講演会のお知らせ
パンフレットダウンロード日本学士院では、わが国における学術の発達に関し、特別に功労のあった外国人研究者を日本学士院客員として選定しています。
このたび、米国在住の眞鍋淑郎客員の来日を機に、下記のとおり講演会を開催いたします。
事前申込制 先着150名
申込みは終了しました。
日時・場所
- 平成24年3月27日(火)14時~16時30分
- 日本学士院 会場地図
講演内容
眞鍋淑郎客員
地球温暖化と「水」
- Syukuro Manabe(眞鍋淑郎)
- 日本学士院客員
- アメリカ科学アカデミー会員
- プリンストン大学大気海洋プログラム上級研究員
今回の講演では、大気中の温室効果ガス増加による温暖化に伴って起こり得る大きなスケールでの水の利用可能度の変化を、2000年前後に行った気候モデルによる降雨量、河川流量、土壌水分量などの変化の予測結果をもとに考察する。我々の得た結果では、世界の中で既に水の豊富な地域ではさらに水が多くなる一方、現在既に相対的に乾燥している水の少ない地域や季節には水不足のストレスが強まる方向にある事を示している。実際、観測結果の解析は、現在世界中で洪水と干魃の両方の頻度が増えつつあることを示しているように見える。湿潤域と乾燥域のコントラストの強まりは、水に関する工学、農学に、そして水資源の管理に大きな課題を投げかけるであろう。
松野太郎会員
温暖化懐疑論の問題点と日本における気候変動予測研究について
- 松野太郎
- 日本学士院会員
- 海洋研究開発機構特任上席研究員
石油・石炭の燃焼により二酸化炭素(CO2)が放出され大気中の濃度が増加すると、その温室効果によって地球全体が温まる可能性があることは19世紀末から論じられ、眞鍋博士によって物理法則に基づく理論が確立された。ところが、近年、温暖化の危険が認識され、その抑制が議論されるようになると、大本を否定しようとする議論が現れてきた。「懐疑論」と呼ばれるそのような議論の誤りを指摘する。 温暖化に伴う危険な気候変化に対処するには、将来起こるであろう気候の変化をコンピューターを用いたシミュレーションによってあらかじめ調べることが必要である。日本では、2002年以来全国の研究者の協力によるプロジェクトによって、世界でもトップクラスの気候モデルが開発され、気候変化予測が行われてきた。プロジェクトの概略を紹介し、日本にとって重要な台風や集中豪雨が温暖化時にどうなるかの予測結果を説明する。
お申し込み・お問い合わせ
<お申し込み>
e-mail または下記の申込フォームから、氏名、所属、連絡先等をお知らせの上お申し込みください。メールでお申込の際には「眞鍋淑郎客員講演会聴講希望」と明記してください。
事前申込制 先着150名
申込みは終了しました。
<お問い合わせ>
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