物故会員個人情報
氏名
築島裕 (つきしま ひろし)
所属部・分科
第1部第1分科
選定年月日
平成7年12月12日
退任年月日
平成23年4月11日
専攻学科目
国語学
過去の要職
東京大学名誉教授
受賞等
〔国内〕
日本学士院賞 (昭和39年)
勲二等瑞宝章 (平成8年)
〔海外〕
主要な学術上の業績
築島 裕氏は、数千点に及ぶ古訓点資料の調査・研究の成果を踏まえて平安時代国語の言語体系の研究に顕著な業績を挙げています。例えば、訓点語は、和歌・物語の和文とは別に、独自の語彙・語法をもつ文章語ですが、一般の仮名和文のような個性はないこと、この訓点語が、片仮名混じり文、変体漢文、和漢混淆文という形を経て、今日の文章語に大きな影響を与えていることなどを明らかにしてきた功績は大きなものがあります。戦後、諸寺院の悉皆調査にも参加し、とりわけ、高山寺の調査については、調査団代表者として、同調査団編「高山寺資料叢書」24冊などの刊行に従事しました。
主要な著書・論文
- 『平安時代の漢文訓読語につきての研究』(1963年、東京大学出版会)
- 『興福寺本大慈恩寺三蔵法師伝古点の国語学的研究』(訳文篇・本文篇・索引篇) 3冊(1965・1966・1967年、東京大学出版会)
- 『大般若経音義の研究』(本文篇・索引篇)2冊(1977・1983年、勉誠社)
- 『平安時代訓点本論考』2冊(ヲコト点図/仮名字体表・研究篇)(1986・1996年、汲古書院)
- 『訓点語彙集成』既刊2冊(2007年・2007年、汲古書院)
- 『国語学』(1964年、東京大学出版会)
- 『平安時代語新論』(1969年、東京大学出版会)
- 『古代日本語発掘』(1970年、学生社)
- 『国語の歴史』(UP選書)(1977年、東京大学出版会)
- 『日本語の世界 5仮名』(1981年、中央公論社)
- 『平安時代の国語』(1987年、東京堂出版)