物故会員個人情報
氏名
小林道夫(こばやし みちお)
所属部・分科
第1部第1分科
選定年月日
平成25年12月12日
退任年月日
平成27年6月2日
専攻学科目
西洋近世哲学・科学哲学
過去の要職
- 京都大学名誉教授
- 龍谷大学文学部特任教授
- 大阪市立大学大学院文学研究科教授
受賞等
〔国内〕
- 日本学士院賞(平成13年)
〔海外〕
主要な学術上の業績
小林道夫氏は、デカルト哲学に発する西洋近・現代哲学、それと関連する科学思想史、科学哲学を多岐にわたって研究してきました。業績の第一は、デカルト研究であり、小林氏は、その著作において、デカルト哲学の形成から、認識論、形而上学、自然学と道徳論を、体系的に論述し、日本におけるデカルト哲学の体系的理解に画期的な貢献をしました。特筆すべき点は、従来、フランスにおいても十分になされてこなかった「デカルトの自然哲学」の研究であり、この研究成果は初めにコレージュ・ド・フランスにおける連続講演として結実し、さらにその講演内容はフランス語で公刊され、フランスひいては国際的に高く評価されました。このように、同氏の学問的業績の顕著な特徴は、哲学思想史についての堅固な研究に基づき、哲学の諸問題を究明しようとするところにあります。